高専生専門塾の構造ーなぜ「プロ講師」が定着しにくいのか?

高専生を教えられる塾が本当に少なくて…

結局学生さんが教えるじゃ、あんまりメリットを感じなくて…

当塾に学習相談に来られる多くの保護者様からこのような切実な質問を頂きます。

今回の記事では、近年高専生専門の塾が増えてきているのに、高専生に特化した「プロ講師」がなぜ定着しないのか、塾側の裏側の事情も含めて3つの関門について解説したいと思います。

もくじ

関門その1ー高専生を教えるのは高専卒が有利

特に数学についてですが、高専生をストレスなく教えるためには、高専卒でないとはっきり言ってかなり難しいです。

その理由は、難易度云々の前にカリキュラムの大きな違いにあります。

高校生は主に大学受験に主眼を置いて数ⅠAⅡBⅢCを学び、その後大学で学部に合わせた分野として微分積分学、線形代数学を深めていきます。高校3年間の数学と、大学の数学の位置づけが大きく異なります。

高専生は方向性が全く異なり、工学のために基礎数学を学び、工学のためにその上に積み重ねる微分積分ⅠⅡと線形代数を学び、工学のためにその上にさらに積み重ねる応用数学を学ぶ、というすべて工学をベースとした一連の繋がりの中で数学を学んでいきます。

この学びで身に付く「数学」という教科の体感は高専生独特なものです。

「ああその単元のそこねっ!」と共感しながら授業を進めていくためにはどうしても講師は高専卒がマストになります。

では、高専卒の学生アルバイト講師は一定数いるのに、そこから育つ「プロ講師」が少ないのでしょうか?

関門その2ー高専卒の基本進路は「教育業」ではなく「技術職」

高専卒「アルバイト学生講師」が多くても「プロ講師」が少ない理由、それは高専がそもそも技術者を育てる学校なため、進路として技術職や研究職へと進むことにあります。

そうなると必然的に、講師としてのプレイヤーとしてのタイムリミットは2年ほど…

仮に、1日3コマ×週3回×2年間教えても、合計授業時間は数百時間と…高専生を教える十分なスキルを身に付ける前に工学技術系の次のステップに進む流れになります。

高専の特殊なカリキュラムに十分に精通し、教授たちの授業に苦戦している高専生に分かりやすいアプローチを与えるためには、講師として「片手間でなく本職としての経験の積み重ね」がどうしても必要です。

高専という学校の仕組み上、プロ講師が育たないことはむしろ自然なことと言えます。

関門その3ー高専卒プロ講師になると経営の道も見えてくる

仮に高専卒プロ講師の道を選んだとして、良い評判が築けていくとこの選択肢が生まれることがあります。

高専卒大学生アルバイト講師を雇い、自身は経営側に回るという選択肢です。これはビジネスチャンスですので、この選択肢の賛否については価値観による差があって当然だと思います。

自分一人でより多くの高専生と向き合うのには身一つでは時間の限界があります。しかし、多くの学生講師を雇うと、同じ時間に別の講師による授業が何コマも行われます。自分が講師として授業するのとは比較にならないコマ数が毎日こなされていくわけですから、当然利益も比較にならないものとなります。

私がこれまで見てきた中高生向け・高専生向けの塾を例にとると、大学生バイト講師に渡る報酬は多くても授業料の約3割程度のところが多いようです。特にオンライン塾の場合は対面塾と比較して授業をするための最低限の経費が少ない傾向にあるため、残りの部分から役員報酬を多く得やすくなります。物理的な教室もないため、受講する学生が増えても教室数を増やす必要もなく、受講生の数の増加をそのまま役員報酬の増加につなげやすい形態です。

それで、この道を選択するのも一つといえるでしょう。

ただこの選択肢、今回のテーマの講師の育成という視点だけでいうと、高専卒ベテランプロ講師がなかなか生まれない理由の一つとも言えるでしょう。

まとめー高専のユニークな環境では「技術力」>>>「講師力」

この記事で取り上げた3つの関門があるため、高専生に本当の理解を与えられる「プロ講師」はなかなか育ちづらいことがお分かりいただけたかと思います。でもこれは全くネガティブな話ではなく、高専がいかに「技術」に特化した学校であるかという大き過ぎるメリットの裏返しに過ぎません。

一方で、近年高専生向けの塾も少しずつ増えているため、ネットの色々な情報・広告・アフィリエイトを鵜呑みにするのではなく、本質を見極めることがより重要になっています。

高専生の塾「さかのうえの塾」は授業の100%がプロ講師の個人塾

当塾は、これまで累計20,000時間以上の授業によって指導法を確立してきた、プロ講師による高専生専門の個人塾です。

量産型になって「授業の質」が落ちないよう、学生講師の採用依頼も時折頂きますがすべてお断りし、「授業の質」優先の方針で運営しています。

そのため、料金体系も講師への授業報酬のみととてもシンプルです。

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