高専生専門のオンライン塾「さかのうえの塾」講師の坂上です。よく高専生の保護者様から、
単位とか留年とか聞くけど、そもそも親の私が高専の仕組みがよく分かってなくて…
高専生の子供に「進級大丈夫?」と勉強促しても親だと説得力ないのか相手にされなくて…
というお声を頂くことがあります。
ネットの情報を見ても高専の単位について「〇〇になったらやばい」「〇〇さえしておけば大丈夫」っていろいろな情報がありますね。
でも、その多くが自分の高専の体験談で、そのまま鵜呑みにすると「自分の高専では全然違った」なんてことに…中には、高専向けの塾が発信する情報でも、ローカルな情報を「高専」の情報として発信しているところもあります。
一方で、単位の制度は高専ごとに大きく異なるため、全高専の制度の詳細を一覧にすることも現実的ではありません。
それで今回の記事は、高専ごとに異なる単位の制度について
わたしの高専について確認しておくとよい5つのポイント
をまとめました。高専生の皆さん、保護者様両方にお役立ていただけると幸いです。
高専生が単位・留年・赤点について知っておくべき5つのポイント
1.進級するための「必修単位」と「単位数」の扱いはどうか?
まずはここの確認が一番重要です。
これは高専によって本当に差がありますが、大別すると4つのパターンに分けられます。
1. 進級するための「必修単位」と「単位数」の扱いはどうか?
まずはここの確認が一番重要です。
これは高専によって本当に差がありますが、大別すると4つのパターンに分けられます。
①「必修科目」をその学年で落としたら留年する高専
久留米高専など、高専の中でも偏差値が特に高い高専に見られる傾向です。ここで挙げる4種類の中では最も「必修」という言葉に対して厳密な高専です。
②「必修科目」を落としても「仮進級(通称:カリシン)」として進級し、翌年などに単位回収のチャンスがある高専
木更津高専、有明高専など、特に低学年ではその学年で単位取得が出来なかった際の救済措置として採用している高専も多く見られます。その多くが、翌年に行われる再試験で基準点を満たすことで「仮」が取り消される仕組みです。有明高専のように1年生の単位のみ3年生まで回収のチャンスがあるなど、仕組みも色々異なります。少し制度はちがいますが、似た名前で乙進級という仕組みを持つ東京産業技術高専もあります。
③「必修科目」を落としても、累計単位が基準に満ちていれば翌年に進級できる高専
東京高専など、学年ごとのボーダーが用意されていて(一般〇単位、専門〇単位、合計〇単位など)その単位に達していれば「仮」も付かずに進級できる高専です。翌年に落とした単位を回収する制度があるかどうかは、高専ごとに異なります。
④その他の複雑な制度の高専
落とした単位の扱いが複雑な高専もあります。例えば奈良高専は不可にA(0~39点)とB(40~59点)の2種類が存在し、Bは進級を認めず、Aは科目数によっては進級の可能性あり、さらに学年末総科目平均点も考慮されるなど、より複雑です。科目が〇印と*印の科目に分かれていて、それぞれの科目で扱いが変わる新居浜高専など多岐にわたります。
このように、高専によって大きく差があるため、自分の高専の「学生便覧」などをまずはしっかりと確認しておくことが大切です。
2.落としそうな単位は通年単位か?前期・後期単位か?
自分の高専の単位の取得の大枠を知ったあとは、単位を取得するための具体的な中身を調べておきましょう。
まず確認したいのは、通年の単位なのか?前期・後期で分かれている単位か?です。
例えば、数Ⅰという教科がある高専を例に取ると、同じ90分週2回の授業でも
通年の場合:「数Ⅰ」4単位
前期・後期で分かれている場合:前期「数ⅠA」2単位、後期「数ⅠB」2単位
というように、高専ごとに・教科ごとにも差があります。
どちらが良いかはなんとも言えないところですが…
通年のメリット:例えば定期試験が年間4回ある高専は1回赤点を取っても他のテストでカバーしやすい。
通年のデメリット:単位数を考えるとき、落とすと大きい。
前期・後期のメリット:落としても通年の半分の単位数
前期・後期のデメリット:1回のテストのウエイトが大きい
こんな感じです。
科目ごとの単位は、独立行政法人国立高等専門学校機構全校共通シラバスシステム(Webシラバス)から自分の高専を選んで確認できます。
中には八戸高専や宇部高専など、1年を4学期に分けて学期ごとに単位を設ける「クォーター制」を導入している高専もあり、1回のテストで単位がほぼ決まってしまうなんてところも!
3.「定期テスト」と「課題・レポート・小テスト」の比重はどれくらいか?
もう一つ単位の中身の部分で確認しておきたいのは、「定期テスト」と「課題・レポート・小テスト」の比率です。
こちらもWebシラバスから、調べたい自分の高専・学科、科目と進んでいくと、ページの一番下の部分に「評価割合」という表があります。
担当の先生にもよりますが、課題・レポートの部分はしっかり期限内に提出していれば満点をくれる先生も多いです。
例として、上に挙げた比率の科目で赤点基準は60点未満、課題を30点満点取ったとすると…他の要因がなければ試験は30点分取れば赤点回避ができるため、
30÷0.7=43点(小数点切り上げ)を試験の素点で取れば赤点を回避できそうだという点も見えてきます。
課題・レポートの大切さがお分かり頂けたでしょうか?逆に、課題・レポートが未提出がある場合には自動的に不可を付ける高専や先生もおられますので、この辺りもしっかりと確認しましょう。
4.「不可」判定の時、年度内に「可」にしてくれる救済措置はあるか?
テスト後に不可判定のリスクがあることが分かった、または前期単位で不可を取った時などは、できるだけ早めに年度内の救済措置があるかを確認しましょう。
再試験(高専によって表現は変わります)が実施される場合は、確実に取れるように対策することが必要です。
特に前期単位の場合は、「後期に突然の再試験」が実施されるケースも多いため、これまでの担当先生の情報から「再試を前もって実施する先生か?」「何度か再試してくれる先生か?」などの情報も仕入れつつ、いつ実施されても対応できるように備えましょう。
高専や先生によって、再試を受けられる点数のボーダーが定められている場合もあります。それについては本試験の前に把握しておきましょう。
後述しますが、不可のままでも進級できる制度の高専でも、翌年度に持ち越すと「成績の自転車操業」に陥ってしまう可能性があるため、出来るだけその年度の単位はその年度に解決できるようにしましょう。

5.「不可」判定の教科を翌年度に救済してくれる措置はあるか?
「仮進級」の制度のある高専については、翌年度で回収することを前提にしているため、この措置はほぼ確実にあります。
ですがそれ以外の高専の場合は、まちまちですのでここもしっかりと確認しておきましょう。これは単純に2種類に分けられます。
①翌年度、前年に落とした単位を取り戻せない高専
取り戻せないものは仕方ないです。前を向いてその学年の単位を必死に取りに行きましょう。必要な単位数に応じては外部単位制度も検討できるかもしれません。

高学年になればなるほど、落とした単位は痛く響いてくることがあります。低学年をいかにノー落単で行けるかも高専ライフの鍵になります。
②翌年度、前年に落とした単位の救済措置がある高専
ありがたい措置ですが…間違えても単位を落としそうなときに「来年取り返せばいい」思考にならないよう絶対の注意が必要です。なぜでしょうか?
翌年はより難易度の高い科目が当然多いわけで、昨年度の単位の回収と今年度の単位の取得の両立はかなりしんどいです。そもそも、それが出来るキャパを持っていれば前年に単位をとれていたはずとも考えることもできますね。
「来年取り返せばいい」思考の学生さんの陥りがちなパターンですが…
昨年度の単位を回収するために、今年度の単位を結局落とす(借金を返すために、別の所から借金する)「成績の自転車操業」
です。
これを防ぐためにまず「今年度の単位は今年度のうちに」をスタンダード思考にしましょう。
でももし翌年に単位回収せざるを得なくなった時はどうでしょうか?大鉄則は「春休みのうちに落とした内容を完璧にする」これに尽きます!学校の授業が動かないタイミングでマイナスを取り返しましょう!
高専生が単位・留年・赤点について確認すべきことのまとめ
今回解説した5つのポイントの通り、同じ国立高専であっても単位の認定基準や救済措置、進級ルールは学校ごとに大きく異なります。
それで、大切なことは「ネットの私の高専体験談」をすべて自分の高専と重ねて鵜呑みにするのではなく、
①「学生便覧」「高専の先生」「学生課(教務課)」などの自分の高専オフィシャルの情報を収集すること
②その中での自分の現状・立ち位置を正確に把握すること
この2つです。
さかのうえの塾では、全国各地の高専の履修システムや試験傾向を分析してきました。そして、「高専の仕組みがよく分からなくて不安」「うちの子に合わせた現実的な対策を立てたい」という多くの高専生の単位取得・進級をサポートしてきました。

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