高専生のための個人オンライン塾「さかのうえの塾」、塾長の坂上です。今回は高専生の難敵、理数科目で赤点を回避するためのポイントを解説します。「高専留年の危機」に悩んでおられる高専生の皆さんの参考になれば幸いです。
高専生が理系科目で赤点を回避するポイント①「教科書理解」がまずは大切
え?そんなの当たり前のことじゃん!と思われたでしょうか?
でも実は、勉強に「教科書」を使っていない高専生が多いんです。
いやいや使ってますって!
と思ったあなた!では教科書をいつ使っていますか?
それは…教科書の問や問題集をやって分からなかった時に、教科書の解説を確認しています!
という学生さんも多いのではないでしょうか?
確かに高得点が既に取れている学生さんであれば、その方法で十分でしょう。ですが、もし赤点ギリギリや赤点なのであればやり方を見直したほうがいいかもしれません。
教科書理解=問題を解く前に教科書のその単元を読み込み、『公式や定理までのプロセス』を十分理解すること
高専の赤点回避に「教科書理解」が重要な3つの理由
理由①教科書理解が不十分だと公式の柔軟な適用ができないから
上に挙げたように「分からない問題があった時だけ教科書を読む」という学生さんは多いようです。
しかし、この方法では教科書を断片的にみるだけで、「こういう問題はこのパターン」は分かっても「なぜこの解き方?」まで理解せずに終わってしまいます。
教科書や問題集の問題がそのまま数字を変えて出された場合は解けますが、問題を少し捻っただけで、公式をどう使えば良いかが分からず解けず仕舞いになります。考えのプロセスの理解が重要です。それで「教科書のつまみ食い」ではなく、まずは「教科書全体の流れの理解」が大切になってきます。
理由②そもそも授業が分かっていないのであれば、ノート学習もあまり意味がない
「復習は板書ノートで!」という学生さんも多いと思います。もし授業が理解できているのであればそれで大丈夫です。
ですが、赤点ギリギリの学生さんはそもそも授業が分かっていないという傾向があります。高専物理も高専数学と同じようにハイレベル?の記事でも触れていますが、高専の先生の多くが、「教師」ではなく「教授や准教授」です。「教えるプロ」ではなく「研究のプロ」です。
ですから、授業が分からないのであれば、「よく分からない授業」で写した「よく分からないノート」に頼るより、後述しますがより分かりやすい解説の「教科書」に頼ったほうが確実です。
理由③高専が採用している数学教科書の多くは解説の質が良い
ほとんどの高専では、高校専用でも大学専門でもない、高専用に著された教科書が採用されています。詳しくはあなたの高専はどの数学教科書?ー全国高専の採用率ランキングのページでも紹介しています。
そして多くの場合、大学教授や高専教授、准教授が監修や執筆されています。上で述べた、教授は「教えるプロ」ではなく「研究のプロ」という話と一見矛盾しているように感じるかもしれません。ですが、それらの教科書は1人の教授ではなく、複数の教授たちによって著され、これまで何度も改訂を重ねられてきたものです。
私も高専生時代は、現在全国の高専で一番採用されている「大日本図書」さんの数学の教科書を使用していました。当時の教科書と今の教科書を比較しても、解説や例題がとても丁寧に改訂されています。
それで、1人の教授のオリジナルの授業以上の「良質な解説」が詰め込まれています。
高専の教授たちの知恵を集めて作られた教科書を「しっかり読み込み理解する」ことは、高専数学を乗り切る上で近道と言えるのです。
高専生が理系科目で赤点を回避するポイント②「できたつもり」をやめる
教科書理解のあとは教科書例題を必ず一度解いてみましょう。
教科書の例題は、解説が丁寧で自分で解くハードルがかなり低いため、絶対に解くべき!
例題を解いたら、次に教科書の問や問題集に移りましょう!
この時に忘れてはいけないことは…
中学生の時の、頭の中で「できたつもり」はもう通用しない現実をしっかり受け止める
ことです。
私の塾にお問い合わせ頂く悩める高専生たちからよく聞く言葉の一つとして…「中学の時はちょっと勉強しただけでいい点取れたのに…」があります。
確かに中学の時には、実際に問題集をあまり解かなくても解説を見ただけで、「分かる」そして「できる」まで行けていたかもしれません。
でも、もし今高専で赤点付近をさまよっているのであれば、まずはその感覚「解説を読んだだけで出来たつもり」は今は通用しないことをしっかりと受け止めることが大切です。
必ず「自力で」問題を解く!
これを忘れないようにしましょう。赤点付近の高専生さんに多く見られる良くない問題集の取り組み方の例としては…
間違えた問題の解説を見て「なるほど」で終わる(この場合もチェックをつけて必ずあとで自力だけで解く)
中学時代は良い成績だった高専生にありがちな「分かった」=「出来たつもり」の間違えた演習法です。
特に基本問題にこの傾向が特に強くなるように感じます。「自分は応用問題が解けないから赤点だから難しい問題に力を注がなければいけない」と思い、基本問題はスルーしてしまう訳です。
でも返却されたテストを見てみると、きっと「激ムズの問題を落とした結果赤点になった」よりも「基本問題の減点の積み重ねで赤点」になっているのではないでしょうか?実際に当塾に入塾する際に赤点のテストを持ち込まれる高専生の皆さんにも、「もし基本問題が出来ていたら60点に届いていたか」を計算してもらうと皆さん納得してくださっています。
それで、基本問題こそ、「何かを見ながら」でも「解説見て分かったから次はできるだろう」でもなく、「すべての問題を一度は自力だけで解いた」状態でテストを迎えることをマストとすると赤点は十分回避できるでしょう。
教科書理解が難しい高専生は、高専生のための塾などを検討してもよいかも
この記事で説明したように、「教科書理解」が進むと高専数学の勉強のはかどり方が一気に上がります。
ただ問題は…
簡単に教科書の内容が理解できれば苦労しない
だと思います。
赤点ギリギリで教科書理解に苦しんでいる学生さんは、「高専生のための塾」などを検討するのも一つの方法だと思います。
高専生に塾が必要かどうかについては「高専生に塾は必要?」の本当の答え!高専生が塾を選ぶときのポイントも解説!でもネットの色々な情報に振り回されず、冷静に判断する方法も解説しています。
もし「塾が必要」の結論になった場合はお気軽にお問い合わせくださいませ。