高専生専門の塾「さかのうえの塾」坂上です。今回は、高専生が定期試験で陥りがちな「過去問頼み」の落とし穴を解説していきたいと思います。
ご存知の通り、高専では色々な教科で過去問が出回ります。
先輩から回ってくる昨年以前の過去問…
親切にも先生が配布してくれる過去問…
など、タイプは様々です。高専によっては、テスト前になると「過去問を入手したものが定期テストを制する」ムードにさえなるところもあるようです。それで
直前に過去問さえしっかりやれば定期テストは万全なはず!
そう考えている高専生も多いかもしれません。
でも、この「過去問頼み」が一部の高専生を負のスパイラルに陥れてきました。もしあなたがそんな経験をお持ちであれば、この記事が少しでも役立てば幸いです。では、高専生の「過去問頼みの勉強」にはどんな落とし穴があるかを見ていきましょう!
※今回は「数学の過去問」に絞って解説したいと思います。高専の中でも、いわゆる「ゆるい」教科では、先生の方針や親切によって、本当に過去問対策が最適解なケースもあるかもしれません(過去問だけの対策を勧めている訳ではありませんので、あくまで自己責任でお願いします)。
高専で出回る「過去問頼みの勉強」の落とし穴
落とし穴①過去問で「勉強した」つもりが「実はほとんど勉強になっていない」
一般的に受験・資格試験など、世の中の試験において、過去問というものは「それのみで勉強する」ためのものではありません。過去問の目的は大きく3つあります。
①これまでの「勉強してきた成果を確認」するもの
②問題の傾向を見て慣れておくためのもの(あくまで参考までに)
③もし理解が不十分な箇所が特定できたならフィードバックするためのもの
高専の定期テストでもそれは例外ではありません。ですからそもそも「過去問を使って勉強する」ということ自体が本来の目的から少しずれてしまっているわけです。
それで、過去問の正しい取り組み方は、
「数学の問題集やプリントを一通りこなす」→「本当に実力がついたかを過去問で確認してみる」
です。これは次のことを考えると納得してもらえるはずです。
例えば、ある数学のテストで今年も昨年も同じ範囲の問題集100題がテスト範囲になっていたとします。でも、昨年もその全てをテストに出すことは到底不可能だったはずで、多くてもせいぜい出題は20題程度です。では、問題集をほとんど解かずに、過去問の20題だけをひたすら解いたとして…今年のテストが残りの80題の中から出題されたらどうなるでしょうか?この例の場合、「過去問だけの対策」≒「問題集の中から20題だけ山を張った対策」と言えないでしょうか?
過去問頼みの対策が非常にリスキーで「勉強したつもり」が「実はほとんど勉強になっていない」ということがよく分かりますね。
落とし穴②仮にテストを乗り切れたとしても後々どこかでツケを払う可能性がある
こちらも数学の話になりますが「ある程度の段階までは過去問だけで乗り切れてきた」というケースもあるかもしれません。ですが、上の例に示したように、それではその場はなんとか凌げるかもしれませんが、結果演習量がスカスカのまま学年を進んでしまうことになります。
高専の数学は5年生までつながっている教科です!
ある学年は乗り切ったけど、定着が弱く次の学年で数学に捕まって、結果ずるずる単位を落としてしまった
数学が中途半端だったため、専門科目で高度な数学が出てきた時に一気に複数教科で遅れをとってしまった
低学年の演習不足が原因で、高学年になっても基本計算に時間がかかってしまい、勉強の時間効率が非常に悪い
などなど、後々よくない影響を与えることが起こり得ます。ちなみに上のコメントは実際に高専生からよく聞く体験談です。
こう考えると、地道な勉強こそが、長い目で見ると結果一番良い勉強だ!ということがよくわかりますね。
高専での過去問の正しい使い方
高専での過去問の正しい使い方、それは
模擬試験」として使う
問題の傾向を掴むための「あくまで参考材料」(変わることもあるため)として使う
自分の理解に穴を見つけたなら戻って演習し直すための「フィードバックの材料」として使う
これが、「テスト対策」&「高専生活を長い目で見た対策」両方の意味で良い使い方だと思われます。もちろんテストギリギリではこのことは不可能なので十分に余裕を持ったテスト対策が不可欠です。
もし高専生の皆さんで「過去問をこんなにしっかりやっているのになかなかテストの結果に繋がらない」というお悩みをお持ちであればこの記事も参考になさってみてください。
高専での勉強でお悩みの方は、高専生のための塾「さかのうえの塾」にお気軽にお問い合わせくださいませ。
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