高専生専門の個人オンライン数学塾「さかのうえの塾」塾長の坂上です。
今回は電気系学科の高専生にとっての花形資格の一つである「電気通信の工事担任者」の最高峰「総合通信」を高専生が取るためのポイントを記事にしました。
私が高専時代に資格を取得した時は、「工事担任者アナログ・ディジタル総合種」という名前でした。その後2度の資格改正で「AI・DD総合種」→「総合通信」と変わり、試験範囲に若干の変化はありますが、資格証の適用範囲は全く同じなため、この記事ではまとめて「総合通信」と表記させて頂きます。
工事担任者とは?
工事担任者とは、ざっくりいうと「電気通信にかかわる設備の工事や監督をするために必要な資格」という感じです。
以下、電気通信国家試験センターからの引用です。
利用者による端末設備又は自営電気通信設備の接続は、電気通信に関する知識を要し、その良否は電気通信回線設備を通じて他に与える影響が大きいことから、電気通信回線設備の損傷及び他の利用者への迷惑を事前に防止(接続の技術基準を確保)するとともに、人体の保護を確実ならしめるため、総務大臣がその資格を認定した工事担任者にこれに係る工事を行わせ、又は実地に監督させることを義務づけています。
電気工事士や電験3種と同様、電気系学科の高専生にとって魅力的な国家資格の一つです。
アナログ・ディジタルと分かれていますが、「総合通信」はそれらを併せ持った工事担任者のトップの資格です!
私の高専時代、1発合格を狙いましたが、結果は…
1回目→アナログ1種の「基礎」と「法規」に科目合格(「技術」はあと2点で不合格)
2回目→科目合格が「総合通信」に引き継げることを知り、「総合通信の技術」のみ受験。無事合格!
と、迷走しながら2度目の受験で「総合通信」を取得しました。その時の経験に基づいて、高専生が総合通信を受験する時のポイントをまとめましたので、参考にしてください。
高専生が工事担任者の総合通信を取るポイント
高専で「ディジタル回路」「電気回路」「電磁気学」の基礎を履修後の受験がおすすめ
高専の電気系科目の学生であれば、この3つの科目を取れば、基礎は少しの勉強でかなりいいところまでいけます。高専によりますが、これらの科目が2年生で入っているのであれば3年生、3年生で入っているのであれば4年生で受験することがおすすめです。
基礎ではこの他に、データ転送関係の知識が求められる場面がありますが、高専では4年生以降の専門科目で習うことが多いため、それを習うまで待つ必要はないでしょう。
この3つの科目を全く習っていない学年で挑戦するのももちろんありだとは思いますが、「基礎」の勉強に時間を割かなければいけないため、少し不利になると思います。というのも、工事担任者の試験は電気工事士と比較して、学生よりも社会人の受験の比率が高い傾向にあるため、「技術」や「法規」など、現場で既に身に付いている受験者も多くいます。現場経験のない高専生は「技術」と「法規」はかなりの知識の詰め込み作業が必要になるため、出来るだけ「基礎」では勉強時間を節約したいところです。
効率の良い受験という意味では、上の3つの科目の基礎だけで良いので、高専の授業で履修した後がおすすめです。
「技術」と「法規」は自分に合ったテキスト選びがポイント
では、高専でほとんど習うことのない、「技術」と「法規」についてはどんな学習法がよいでしょうか?
よく工事担任者の試験では「過去問のみの対策」を勧めているサイトもありますが、既にある程度の知識がある場合は別として、ゼロからの学習においては過去問のみの対策は逆に非効率的だと個人的には感じます。単元や分野のアウトラインが全くないまま、断片的に知識を取り入れることになるからです。
例えて言うと、パズルの全体図を見ないまま、ピースだけを眺めて並べていくようなものです
ある程度テキストで系統的な勉強→過去問→テキストでフィードバック、これを繰り返していくほうがずっと効率が良いと感じます。
それでまずは自分に合ったテキスト選びがポイントになります!
「自分に合った」なので一概にはこれがいいとは言えませんが、個人的なおすすめは、過去問中心に解説をしているオールインワンテキスト的なものを一冊買うよりは、「解説のみがしっかりしているテキスト」と「過去問」の2冊を分けて買って勉強するのがおすすめです。
特に「総合通信」で情報量が多いのは「技術」です。「法規」は1級アナログも1級ディジタルも同じ範囲ですが、「技術」はアナログとディジタルでほぼほぼ違う内容で、それを合わせたものが「総合通信」です。多くの高専生にとってとっつきやすいのは「ディジタル」の内容だと思いますので、そちらから片付けて圧倒される気持ちに少しでも余裕を持たせるのも手でしょう。
「技術」と「法規」の効率的な勉強法をまとめると…
①テキストで暗記
②過去問で確認
③抜けているところをもう一度テキストで確認してフィードバック
④上の①〜③をひたすら繰り返す
が合格点への近道だと思います。いいテキストと出会って合格を掴み取りましょう!多くの高専では国家資格というステータス以外に、外部単位というご褒美もついています。
では、工事担任者の総合通信を狙う高専生の皆さん、応援しています!
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